私は毎朝、登校の途中、裏門に向かう急な坂道を歩くが、坂の途中で、あるいは門に入ったすぐのところで生徒とよく出会う。今日も、私の姿を見かけると、立ち止まって一礼しながら、「おはようございます」と大きな声で元気よく挨拶してくれる生徒がいて、こちらも思わず姿勢を正してしまう。
昼間に校舎内であったり、放課後、部活動帰りの生徒にあったりすると、歩みを一旦止め、「こんにちは」とか「さようなら」とか挨拶してくれる生徒が結構いる。自然と身につけているのであろうこうした態度・所作からは、知性と気品が自ずと伝わってくる。
「気高き品性」は、本校の前身である旧制宇治山田高等女学校の校訓であり、100年以上の長きにわたって脈々と受け継がれてきた伝統の精神でもある。
2月、3月は、教員にとって、大学受験の指導や高校受検の対応にと、とりわけ忙しい日々が続くが、こうした伝統が、これからも子どもたちに受け継がれていくことを願ってやまない。