2012年3月30日金曜日

出会いと別れ

3月23日の離任式以降今日までの一週間は瞬く間に過ぎていった。勇退、異動される職員の別れの言葉に込められた想いを、今、一つ一つかみしめながら、次年度の学校経営への意欲をあらたにしている。

 午後には、書道の教員が、卒業記念品である「校歌の歌詞が記された湯飲み茶碗」19個を、3段のケースに並べ、校長室に飾りにきてくれた。毎年、卒業前に、一番から順に歌詞を書いていただいたが、こうして全部並べて見ると、さすがに圧巻である。一字一字に託された想いは卒業生にきっと届いているはずである。

 夕方には、部活動の生徒たちとの最後の別れを終えた教員が校長室にやってきた。別れと出会いは、学校にはつきものとはいえ、話をしながらも、胸にジーンと迫るものがあった。

 昨日は、転入予定者に来ていただき、オリエンテーションを行った。一人ひとりの顔を思い浮かべながら、前任者の「想い」を引き継ぎ、新たなメンバーとの船出が順風満帆となるよう、確かな舵取りをしていく決意である。

2012年3月28日水曜日

文化の伝統

学年末終業式を終え、あわただしい中にも、ほっと一息の感がある。25日には文化部の一年間の活動成果の発表会が伊勢市観光文化会館であった。

  ロビーでは、美術部を指導していただいた先生に、お別れに際し、感謝の気持ちを込めて部員から花束の贈呈があり、先生から部員に対し、暖かいお言葉をいただいた。

  ホールでは、合唱部の発表の中で、3年生12人が舞台の前面に出て曲を演奏する場面があった。部活動で過ごした3年間の日々を振り返りながら、万感の想いを込めて、小田和正さんの「言葉にできない」を披露した。励まし合ったり、衝突したりしながらも部活動を続け、人間的にも大きく成長していった様子が、聞いている自分にひしひしと伝わってきて、胸にグットくるものがあった。

  学校創立以来、110年を超え、脈々と受け継がれている文化の伝統を、確かなものにしたと感じた午後のひとときであった。

2012年3月6日火曜日

春の息吹

学年末テストも3日目となり、午後になるとトレーニングしていた運動部員も帰宅し、校内はひっそりとしている。

 今週は国公立大学の前期入試の合格発表日が重なっており、今日も生徒からの連絡を待つ担任は
どこか落ち着かない様子である。

 午後から学校関係者評価委員会を開催し、評価委員の方々から本年度の活動、学校評価に対して幅広く意見をいただいた。次年度への改善につなげていきたい。

 雨も上がり、校内を歩いていても随分暖かくなったと実感している。春の訪れを嬉しく思いながらも、卒業生全員の進学先が決まることを願って、遠くの空に想いをはせている。

2012年3月1日木曜日

答辞に込められた想い

本日、来賓16名の方々にご臨席を賜り、第64回卒業式を挙行した。クラス担任が、こみあげる気持をおさえながら卒業生一人ひとりを呼名した。私は、壇上で20分間ほど、呼名された一人ひとりの姿を追いつつ、3年間を振り返っていた。

  ふと我に返ると、司会者が卒業生代表の名を読み上げていたので、卒業証書授与へと気持を切り替え、代表者に全員分の想いを込めて手渡した。

  式辞、祝辞、来賓紹介があり、その後、在校生総代による、きびきびとした、凛とした中にもさわやかさを感じさせる送辞に続き、卒業生総代の答辞となった。高校生活で、試行錯誤し悩みながらも、仲間や教職員の支えや繋がりの中で、自己を確立していった様子がよくわかる内容であった。自分の3年間を振り返りながらも、卒業生全員の気持がそこに重なって見えるものであり、周りの方々への感謝の念がにじみ出ていた。

  相対する私は、総代の表情を見ながら、この答辞を聞いている職員の気持に思いをはせ、感極まるものがあった。山高での教育を通して、私たち教職員と生徒の思いがつながった、まさに『絆』への昇華である。