2011年4月11日月曜日
入学式を終えて
4月8日、281人の新入学生を迎え、次のような言葉を贈りました。 新入生のみなさん、入学おめでとう。また、保護者の皆様方におかれましては、感慨ひとしおのことと、心よりお喜び申しあげます。 この3月に、東日本大震災とそれに伴う大津波、福島原子力発電所の事故があり、繰り返し報道される現地の状況は、私たちに大きな衝撃を与えました。現地では復興に向けた努力・対策や支援活動がまだまだ続けられています。毎朝決まった時間に起きて、学校に行く。時にはお父さんやお母さんとけんかもし、学校では勉強に追われて四苦八苦し、ほんの些細なことで友だちと仲違いをし悩んだりと、そんな、当たり前の日常が如何に大切な、大事なものであるか、今回の震災が教えてくれたのではないでしょうか。震災の事実だけが記憶に残るのではなく、高校生である自分は、そのとき何を考え、どういう行動をしたのかが、後になって記憶に残るよう、今回の震災を教訓として、毎日の高校生活を大事にし、充実した内容となるよう心がけてください。 入学にあたり、みなさんに期待することは、「山高までの人」ではなく、「山高からの人」になってほしいということです。本校は中学生の人気が高く、みなさんは本校への入学を目標にしっかりと勉強してきたことと思います。これからは、将来の夢を育み、人生の大きな目標に向かって、更に大きく成長を遂げる時期です。そのためにも、みなさんに望むことを三つあげます。 一つめです。自分の夢の実現に向け、学習活動や部活動、学校行事に意欲的に取り組んでください。そのためには、何のために学ぶのか、目的意識を明確に持つことが何より重要です。 二つめです。学校全体として、わかる授業の実現を目指しています。自ら学ぶ姿勢を持ち続け、毎日の授業を大切にして、家庭学習にも力を入れてください。毎日の学習の積み重ねが3年後の栄冠に繋がることを信じて、焦ることなく、決して諦めずに、一歩ずつ着実に進んでください。 三つ目です。人はそれぞれ、いろいろな思いや考えを持っています。お互いを思いやる気持ちを持ちながら、生徒同士、生徒と教職員、双方が好ましい人間関係をつくっていってください。 なお、保護者の皆様方に特にお願したいことがあります。高校時代は、自立性や社会性を身につける大事な時期です。多感な、感受性豊かな子どもたちは、悩んだり苦しんだりすることもあろうかと思います。時にはじっと見守りながら、子どもたちの成長を長い目で見て、支えてやってください。私たちは、生徒の自立を促す視点に立って、生徒の学びを支援してまいりますので、ご協力をいただきますようお願いします。 新入生のみなさん。本日から、山高生としての生活が始まります。本校は、明治32年、三重県第四中学校として創立以来112年を迎える県内でも屈指の伝統校であり、創立の理念は、自主自立と気高き品性であります。高校生の時にしかできないこと、また、自分にしかできないことがたくさんあるはずです。自主自立の精神を忘れずに、自ら学び、考え、行動する姿勢を大事にしながら、いろんなことにチャレンジしてください。 みなさんの高校生活が、充実感あふれるものとなることを期待して、入学式にあたっての式辞とします。